大阪市と周辺3市が共同で行っているごみ処理が追いつかない状況となり、4市は家庭や事業者に対してごみの減量を強く呼びかけています。焼却工場の建て替えや故障が重なったことに加え、大阪市では外国人観光客の増加などを背景にごみ量が再び増加に転じており、対象人口は約330万人という異例の規模になっています。
大阪市の横山英幸市長は記者会見で「分別や減量への協力をお願いしながら、できる限り早く逼迫状況を解消したい」と述べ、八尾・松原・守口の3市と連携して対応を進める姿勢を示しました。
大阪広域環境施設組合によると、7か所ある焼却工場のうち鶴見工場は建て替え中、西淀工場は焼却炉の故障で稼働停止と復旧を繰り返しており、受け入れ制限が続いています。7月には搬入ごみを一時保管するピットの貯留率が105%に達し、堺市に家庭ごみの受け入れを依頼しましたが、堺市側が定期整備に入るため8月末で終了。現在は別自治体への委託を調整しています。
さらに、組合が想定していた「大阪市内のごみ減少」が誤算となりました。全国的にごみ量が減る傾向にある中、コロナ禍後の経済活動の回復や訪日客の増加で大阪市のごみ量は再び増加。2024年度の4市の処理量は100万トンを超え、計画を上回る結果となっています。
工場の老朽化も深刻で、6工場のうち供用年数が20年超・30年超の施設があり、故障リスクが高まっています。整備工事を先送りした結果、設備が故障した例も出ています。
大阪市は2012年の橋下徹市長による改革で工場を9か所から6か所に統廃合しましたが、当時の前提だった「ごみ量の減少」が崩れたことで、処理体制の脆弱さが露呈した形です。
他都市でも同様の問題が起きており、焼却施設の老朽化や委託先の整備期間などが重なり、ごみの受け入れ先を探す自治体が増えています。
組合や大阪市はホームページで減量を呼びかけ、生ごみの「使いきり・食べきり・水きり」を推奨しています。生ごみは家庭ごみの3分の1を占め、8割が水分のため、しっかり水切りするだけで大幅な減量が可能です。また、事業系ごみは家庭ごみの1.6倍あり、食品ロス削減のため「30・10運動」も推奨されています。
減量の効果が見えるのは約2か月後とされ、市民・事業者の継続的な協力が求められています。
ニュースの感想
焼却工場の稼働が、トラブルに見舞われると、数百万人の生活に影響を及ぼすという事実は重く受け止める必要があります。
大阪市のごみ量が増加した背景には、経済活動の回復や訪日客の増加があります。インバウンドの恩恵が語られる一方で、都市インフラへの負担という『見えないコスト』が存在することが今回の記事で分かります。
その他の観光都市も、処理体制の強化や設備更新の計画を欠かすことなく進める必要があるのではないでしょうか。
また、工場の統廃合が『ごみ量の減少』を前提に進められていたことも印象的でした。都市の未来予測は難しいと思いますが、インフラ整備は長期的な視点が不可欠だと考えます。老朽化した施設が多い中、整備の先送りが故障につながるという現実は、軽視できない課題ではないでしょうか。
市民への減量要請は負担に感じられるかもしれませんが、都市の持続性を守るための大切な取り組みでもあります。私たちが日々出すごみが、どれほど大きな仕組みの上で処理されているのかを意識し、できる範囲で協力していくことが求められていると感じました。

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