使用済みのポリエステル繊維を再び衣料品へ循環させる取り組みが、商用化に向けて大きく前進しました。
JEPLAN は2026年4月、フランスのAxens と IFP Energies nouvelles と共同で、使用済みポリエステル繊維を原料にした大規模なリサイクル実証に成功したと発表しました。
今回の実証では、家庭などから回収されたポリエステル系の繊維廃棄物を数十トン規模で処理し、100%廃棄ポリエステル由来のモノマー「BHET」の製造に成功しました。
実験レベルではなく、実際の商用運転を想定した条件で行われた点が特徴です。
実証試験は、福岡県北九州市にある北九州響灘工場の準商用設備で実施されました。
原料となる繊維製品はフランス国内の公共回収システムで集められたもので、選別や前処理を経た後、「Rewind PET」と呼ばれるケミカルリサイクル技術によって再資源化されています。
この「Rewind PET」は、PET素材を分子レベルまで分解し、再び新しい原料へ戻す技術です。
食品容器などのPET包装材への対応実績があり、今回新たに繊維分野でも有効性が確認されました。
再生されたPETは、今後ポリエステル糸や生地として再加工され、スポーツウェアやアウトドア用品、インテリア製品などへの活用が期待されています。
衣類を「作って捨てる」のではなく、再び衣類へ循環させる“繊維to繊維リサイクル”の実用化に向けた動きとして注目されています。
記事の引用元:リサイクルニュース – MONOist
ニュースの感想
今回のニュースは、これまで難しいとされてきた「繊維to繊維リサイクル」が、実験段階ではなく実際の商用規模に近い形で進み始めている点に大きな意味を感じます。
これまでの衣類リサイクルは、ウエスや断熱材など別用途へ再利用されるケースが多く、本当に循環しているとは言い切れない部分もありました。
しかし今回は、廃棄されたポリエステルを再び原料レベルまで戻し、新しい衣類へ再利用できる可能性を示したことで、資源循環の現実味が一段と高まった印象があります。
特に、スポーツウェアやアウトドア製品など、ポリエステル使用量が多い分野で広がれば、石油由来原料の削減や焼却廃棄の抑制にもつながる可能性があります。
今後期待されるのは、リサイクル技術そのものだけでなく、「回収」「分別」「再利用」まで含めた仕組みづくりです。
衣類は素材が混在しているケースも多く、汚れや装飾品などもリサイクルの障壁になります。
そのため、企業側だけでなく、消費者が正しく分別・回収へ協力できる環境整備も必要になると思います。
また、リサイクル素材が“高いから選ばれない”という状況にならないよう、コスト面や安定供給の課題も今後のポイントになりそうです。
環境配慮と事業性を両立できれば、衣類業界全体の循環モデルが大きく変わる可能性を感じるニュースでした。


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